マチュ・ピチュ-アルトマヨの森奮闘記

青年海外協力隊2022年7次隊として、林業・森林保全分野でペルーに派遣されました。クスコ州のマチュピチュ歴史保護区で森林保全活動をしていましたが、情勢悪化に伴いサン・マルティン州のアルトマヨの森保護区に任地変更となりました。自分が将来過去を振り返るための備忘録も兼ねて、日々の活動をボチボチ綴っていこうと思ってます。時々暑苦しい文章になるかもしれませんので、ご承知おきください。

旅行記 Capítulo 1 ~ミャンマー・ヤンゴン~

私は今まで26カ国に行ったことがあります。ほとんどは東南アジアか東欧の国々でのバックパッキングです。

 

そう長くない期間ではありますが、ロンドンに留学していたこともあります。

 

国際協力を志すに至った原点でもあるバックパッキング。旅を通して色んなことを見聞し、感じ、自分の今の価値観が形成されていきました。せっかくブログという形で情報発信をするならば、過去の私の旅行記も併せて綴っていこうと思います。これは私の価値観の源泉でもあるのです。

 

まず初回はミャンマーヤンゴンから。

 

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ミャンマーの南部に位置するミャンマー最大の都市で、旧首都

 

 

ヤンゴンは2006年までミャンマーの首都であり、現在も経済の中心の都市です。東南アジア最後のフロンティアとして注目を集めており、多くの日系企業ヤンゴンに進出し、オフィスを構えるようになってきました。タイや中国といった経済活動が活発な国や、バングラデシュのように人口増加が著しい国に隣接していることも一因かもしれませんが、やはり主な要因はアウンサン・スー・チー氏が率いるNLDが与党となり、軍事政権から民主政権へと変わったことであると認識しています。


このように成長著しいミャンマーの最大都市ヤンゴンには2016年3月(大学4年生の時)と2019年10月に訪れました。1度目の訪問はまさにNLDが圧勝した総選挙の直後で、政権が変わった国がはらむ空気感を自分の肌で直接感じたいと思い訪れました。

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仏陀の遺髪や遺骨の一部が奉納されているシュウェダゴン・パゴダ

 

シュウェダゴン・パゴダやスーレー・パゴダなど見ごたえのあるストゥーパ(仏塔)が多く、特に写真のシュウェダゴン・パゴダは息をのむほど美しく、再度ここに来たいと強く願いました(実際に再度訪れるのですが、、、後述します)。街自体はどこか垢ぬけてなくて(田舎っぽいという感じではなく、都会なんだけどなにか哀愁を感じるような雰囲気??)、たまたまお会いしたダンディな日本人の方も「自分が幼いころの日本を見ているみたいだ」なんておっしゃっていました。

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アウンサン・スー・チー氏の育った家で、現在はアウンサン博物館として観光地に

アウンサン・スー・チー氏の生まれ育った家は現在博物館となっており、ミャンマーの歴史に触れることができます。先述の日本人の方とは、この博物館でお会いし、少しの時間ご一緒に観光もさせていただきました、イタリアンレストランにも連れて行っていただき、過去のお仕事の話や社会人になってから学位をとって、大学の先生になられた話などをお伺いし、海外にご自身の受け持つ学生を連れていく話なども聞かせていただきました。かっこいい生き方だなと憧れを持つ一方で、自分も自分自身の海外との関わり方を考えないといけないと思うきっかけにもなりました。

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シュウェダゴン・パゴダの夜景。涙がでるほど綺麗でした。



また、このレストランからタクシーに乗って空港に戻る際に忘れられない出来事がありました。ミャンマーの有名な大学で工学の勉強をしていたというタクシーの運転手に、NLD政党をどう思うかという質問を投げかけた際に「俺はイスラム教徒がために、自分の能力を活かした職に就くことができなかった。自分の信仰するものが原因で差別を受けるのは、とても不条理なことだと思う。でも民主主義の新政権には期待しているんだ。」という答えが返ってきました。思考がフリーズしました。考えたことがなかったのです。信仰する宗教が理由で差別され、公共の福祉を享受できず、就く職さえ制限されるなんて。世界ではチャンスは全員に平等なわけではないことを教科書などで知識としては知っていながら、そんなことは自分とは関係のないものと思い込んでいる自分がいたことに気づかされました。一方で、この政権が主導する国が今後どうなるのかを知りたいと強く思いました。この時にもう一度この国に戻ってくるだろうと確信したのでした。

 

 

 

 

そして3年半ほど経って、社会人2年目にミャンマーを再訪することができました。

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ヤンゴン再訪。発展する街を背景に。

 

行く場所はほとんど変わりません。ヤンゴン以外に行くこともありません。この街が3年半ほどでどれくらい変わったのか、あるいは何が変わっていないのかが見たいと思いました。街は確かに近代的な建物が増え、外国人も多くなっているように感じ、英語表記も以前よりも増えている気がしました。一方で、親しくて穏やかな人々や綺麗な寺院(もちろんシュウェダゴン・パゴダも!)は変わっていませんでした。問題がないわけではありません。イスラム系住民の多く住む地域ではロヒンギャ問題を抱え、解決の兆しは見えていません。私に考えるきっかけをくれたあのタクシー運転手の最後の一言が忘れられません。彼は今何を感じ、何を考えているのでしょうか。私ができることはとても小さなことです、しかし世界が抱える問題の解決に向けてなにかアクションを起こしたいと居ても立っても居られない心情です。「宗教や民族などを理由に受ける不条理な差別」に対して働きかけを行うことは、私の青年海外協力隊での活動、さらにはその先の私の人生においてブレない軸にするつもりです。キャラにもなく、熱くなりすぎました。でも「いつか世界を変える力になる」ために私は今ここにいるということをこれからも忘れたくありません。
(https://www.youtube.com/user/jicajocvsv←JICA海外協力隊の動画です。もし興味あればご参照を。私の心を熱くさせます。)

 

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シュウェダゴン・パゴダ再訪。またしても美しさに引き寄せられてなかなか動けず、、、




食事(特にビルマ料理)は初回訪問の時も感じたように少し私には油っぽいです、、、。シャン料理は日本人の口にもあい、あとは大好物の蚕も相変わらずおいしかったです!!昆虫食を気持ち悪いと思う方も当然いらっしゃるとは思います。しかし、昆虫食を食べる地域の人にとっては、それは貴重な栄養源であり、生活の一部なのです。私はなるべく現地では現地のものを食べるようにしたいと思っています(不健康なラーメンとか食べたいと思う時もあるけど、それはナイショね)。

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蚕の蛹の揚げ物です。一番好きな虫で、一番好きな昆虫食です!!

 

少しでもミャンマーに興味を持ち、さらにミャンマーが抱える問題に興味を持っていただけたら幸いです。私が世界が抱える問題に目を向けるきっかけとなった国だったので、旅行記で最初に紹介することにしました。次回以降はここまでアツい文章にならないように、さりとて国際協力に身を投じていこうとしているものとしてそこそこアツめの文章を綴っていけたらなー、なんて思いつつ最初の旅行記はこの辺で。

¡Nos vemos!

なぜペルー??

今回はペルー派遣になった経緯についてです。

 

青年海外協力隊になった(正確には今は候補生ですが)という話をして、今までで一番多く聞かれることが「なぜペルー??」ということです。

 

応募にあたって、①職種を決める ②その職種の中から行きたい要請を選ぶ という流れです。

ちなみに希望の要請は第1~3まで選べます。そして重要なのは決めた職種を超えて希望を出すことができないという点です(第1希望は林業・森林保全の要請、第2希望は木工の要請とすることは不可)。

 

反対に、同じ職種の要請ならどれに選ばれるかは合格通知が来るまで分かりません。

 

私自身、大学・大学院で森林科学を専攻していたこともあって、林業・森林保全分野か木工分野での応募を考えていました。私が応募した2019年春募集では、林業・森林保全分野で3件(サモアパナマ、ペルー)と木工分野で2件(マーシャル、ルワンダ)がありました。

 

所属していた研究室では林産学の研究をしており(学部では木質分子生物学、大学院では木材組織学)、どちらの分野とも直結する内容ではなかったためすごく迷いました。しかし、① 大学院の研究で植物系統学や森林生態学寄りの研究をして少しは自分の知識や経験が誰かの役に立つのではと思ったこと。 そして② 人的影響による森林破壊が社会問題となり地球温暖化が危惧されている昨今において、持続可能な森林管理を行っていくことに自分自身が興味を持っていたこと。この2つが大きな決め手となり、私は林業・森林保全分野で応募する決意をしました。

 

3件の要請の中では、サモアの森林バイオマス調査やフェノロジー(季節性)調査を行う要請がとても興味があり、また活動言語がこれまで慣れ親しんだ英語だったということもあり、サモアを第一希望としていました(第二希望はペルー、第三希望はパナマ)。

 

しかし合格はしたものの、任国はまさかの、、、ペルー、、、。要請の内容さえもまともに確認していなかったため、要請内容を読み込んでみると、、、なんと任地はクスコ州マチュ・ピチュ遺跡!!世界遺産のマチュ・ピチュ歴史保護区で森林保全をするという内容でした。その日から、持続可能な森林管理のことを勉強し始め(特にエチオピア ベレテ・ゲラ参加型森林管理計画プロジェクトの事例)、今となってはペルーでの活動が楽しみで仕方ありません(もちろん不安も0ではないですが)!!!任国では植栽地に適した樹種を選定し、実際に植林活動を行うことももちろんですが、地域住民に森林を守り育てる重要性を伝えつつも、その豊かな森林をうまく利用して現金収入を得られる方法を現地の人と一緒に模索していけたら、と思っています。個人的には、①人気観光地としての側面を活かして、外貨獲得により現金収入を得る方法を考えること②将来の林業の担い手となる小中学生向けに育苗や施業などのワークショップを行うこと、を行うために日々ない頭をフル稼働させています。とはいえ、もちろんまずはカウンターパートや現地住民のニーズを知り、そこから活動内容を決めていく予定です。

 

 

 

今では、重い内容の要請なのでとても楽しみしています。

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ベンガルカレーレストラン アンシャンテ

写真は、今日スペイン語の語学クラスの学友とランチに行ったベンガルカレーレストラン。語学クラス講師のおススメのお店で、オーナーはバングラデシュ派遣の協力隊OV。とても落ち着いた雰囲気でカレーもとてもおいしかったです!語学クラスのことや休日の過ごしかたについても綴っていこうと思いつつ今日は筆をおかせてもらいます。

¡Nos Vemos!

青年海外協力隊候補生の一日

語学の中間試験を10日後に控え、自分自身もスペイン語の勉強に必死になっている今日この頃です、、、
一方、最近では地域実践という講座で観光協会での活動に参加させてもらっています。現在イベントを企画中で、私はというとイベント当日に自然散策ツアーのようなものを企画しているところです。来場者に樹木観察の楽しさを知ってもらえたいという思いで企画を進めております!さらに、任地でも同じような企画をして地域住民に自然環境に興味を持ってもらえる機会を創出できたらななんて思ってる次第であります。
他にも地元小学校との交流イベントなど、語学以外にもやらなければならないことは大量にあり、てんやわんやの毎日です。今日はそんな青年海外協力隊候補生の1日について少し書かせてもらえたらな、と思います!


青年海外協力隊候補生の1日はほぼ8割は語学学習です。
私の場合の1日はこんな感じです。

5:00 起床・身支度
5:30 宿題
6:30 ラジオ体操
6:40 単語の復習
7:20 朝食
8:45 語学学習(私の場合はスペイン語!)
11:40 昼食・昼休み
13:00 語学学習
15:10 各種講座(地域でのボランティア活動など)や予防接種
17:00 風呂
18:00 夕食
18:30 授業の復習
21:00 自由時間・洗濯など
22:30 就寝

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スペイン語の教科書はオリジナル




なかなか思い通りに進まない日もありますが、なんだかんだでこのリズムでやっていけてます、、
スペイン語のクラスでは初回授業から全てスペイン語で行われていたため始めは発言できない・聞き取れないで大苦戦していたものの、最近では何となーく授業について行けていて、言いたいこともだいぶスペイン語で話せるようになってきました!!
それでもやっぱり毎日の授業についていくのが大変で、朝に1人で集中できる時間を作って宿題をこなさなければならない日々です、、、とはいえついていくのは大変かもしれないけれど、雰囲気が良くて、わからないところを教えあえる(圧倒的に私は教えられる立場だけど!これから教えられることも増えると信じてます!)このスペイン語クラスで良かったなと心から思うばかりです。



元々第一志望の国は英語圏サモアだったので、ここに来てまさかの初習言語ではありますがなんだかんだ新しいことを学ぶのが楽しくて、毎日充実しているように感じます。

日常生活の中で、任国も職種も異なる他の候補者と話していると勉強になることも多く、刺激的な毎日を過ごしている感覚もあります。何より地域実践のグループは年齢層が高めで、シニアの方も多くいらっしゃるためスキルの違いを痛感させれることも多いです。しかし、自分は誰にでも物怖じせずに意見を言えるところが長所だと思っているので、遠慮するつもりはありません!(←生意気でゴメンなさい、、、)
同じグループの方から色んなことを吸収しつつ、自分自身も能動的に活動を進めていこうと思ってます!

日常生活の細かいところなどはまたおいおい発信できればいいなー、なんて思いつつ、今回はこんなところで。

 ¡Nos vemos!

ブログを開設しました。

皆さんはじめまして!
JICA青年海外協力隊 2019年度3次隊でペルーに派遣予定の毛笠貴博です!

ペルーのクスコ州にあるマチュピチュ歴史保護区で、森林保全活動に従事する予定です。

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マチュピチュ遺跡は文化遺産として有名ですが、実はUNESCOの世界複合遺産(自然遺産・文化遺産両方の側面を持つ遺産)に登録されており、遺跡周辺には豊かな動植物種が存在していることで知られています。
現地での活動では、人的要因や災害等の影響で急激な生態系の変化、さらには破綻が問題となっているこの地域で、森林再生や復興を目的として、植林活動や地元住民への啓発活動を行っていく予定です!!

 


今後、自分自身のまとめ用と青年海外協力隊の活動を発信する用として綴っていこうかなと思っています。

青年海外協力隊やペルーに興味がある人、環境保全活動に携わている人に向けて発信していきます!もちろん自分の知人向けにも。

現在は70日間の派遣前訓練に参加しています!早3週間が経ってからの更新になってしまいましたが、これからはたまーに更新していきたいと思います!!

初投稿うまく出来てるのかな…