マチュ・ピチュ-アルトマヨの森奮闘記

青年海外協力隊2022年7次隊として、林業・森林保全分野でペルーに派遣されました。クスコ州のマチュピチュ歴史保護区で森林保全活動をしていましたが、情勢悪化に伴いサン・マルティン州のアルトマヨの森保護区に任地変更となりました。自分が将来過去を振り返るための備忘録も兼ねて、日々の活動をボチボチ綴っていこうと思ってます。時々暑苦しい文章になるかもしれませんので、ご承知おきください。

おわりはじまり

3/16にJICA駒ヶ根訓練所における70日間の派遣前訓練が終わりました。
122名の同期と寝食を共にし、各人各々の言語を学び、地域実践では地域の抱える問題について考え行動しました。今思えば1/7駒ヶ根訓練所に来てから色んなことがあったように思います。


まずは訓練の講座の大半を占めていた言語。12月まで仕事をしていたこともあって事前学習は十分とは言えませんでした。それでも持ち前の要領の良さで、スペイン語を話せる人も混じったクラスに滑り込みました。もちろん初めのほうの授業で私は何もわかりませんでした。自分のやってこなかった過去を棚に上げて、勝手に悔しい思いをしていました。このクラスの授業についていくためには誰よりも勉強して、誰よりもスペイン語で多く発言しないといけないと思いました。自惚れも甚だしいかもしれませんが正直に言います。毎日限界レベルまで勉強したし、その分この70日間でかなりスペイン語のレベルが伸びたと思います!でもこれは自分だけの力なんかではなく、講師やクラスメイトの支えがあってこそでした。スペインの母的存在の講師。初めから授業でスペイン語しか話さす、スーパースパルタではありましたが、おかげで紛い形にもスペイン語が話せると胸を張って言えるようになりました。しんどい時に話を聞いてくれる、スペイン語を教えてくれる、スペイン語で話してくれる。そんなSala 3のクラスメイトが心の底から大好きでした!ドミニカ共和国、コロンビア、パラグアイボリビア、ペルー。任地はバラバラで職種だってかぶってないですが、僕たちはこれからもかけがえの無い仲間であり、同じ志を持つ同志です。

f:id:kusetsuyouiman:20200319113720j:plain

Sala 3のメンバー(Osoはお部屋のお掃除のため不在)

 

f:id:kusetsuyouiman:20200319113942j:plain

Oso冬眠から目覚める。クラスみんなのJuguete!




日々の生活でもしんどいも多々ありました。122人もいるとどうしてもそりの合わない人がいるのも当然かと思います。綺麗な言葉ばっかり並べても仕方ないから正直に言うと、自分にとっての苦手な人もいたし、他の同期にも苦手の人の1人や2人はいたと思います。当然愚痴だって言うし、聞いてももらいました。ある日苦手な人について、クラスメイトの同期に話していた時、私が「悪い人では無いんだろうけど、苦手だ」と言うと、彼は「それは少なくともタカにとっては悪い人やねんから、悪い人って思っていい」と。なんとなく苦手な人は自分が理解できてないだけで世間一般にとって悪いわけじゃないと思うようにして、さらにそう思うことがストレスになっていた自分にとって彼の言葉は救いでした。他人から見た印象なんかどうでもいい、少なくとも主観的に嫌いなら割り切ってしまっていいんだと。良いのか悪いのかは私にはまだ判断がつきませんが、この日からきちんとその相手のことを嫌うことができました。世の中全員が自分にとって良い人であるわけがないし、苦手な人なら嫌ってしまった方が楽です!苦手なのにお互いにしんどい思いして付き合っていく方がよっぽどお互いにとってもストレスだと思います。
(こんなことこのブログで書くべきではないのかも知れませんが、これから青年海外協力隊に応募し、訓練を受けようという方には是非伝えたかった。そして、この私を救った彼の言葉とこの経験が、将来、訓練の中でストレスを感じている誰かの為になればと思い書くことにしました。)

 

f:id:kusetsuyouiman:20200319114326j:plain

尊敬できる同郷の同期!同じクラスでいつも話を聞いてくれた。もっと成長して今度は彼の力になってお返ししたい。


生活班のリーダーも正直に言うと、私には荷が重かった。これまで自分が結果を残すことだけに注力してきた私は、個人至上主義で協調などはあまり気に留めてきませんでした。しかし、ここは協力隊員になるための訓練所です。リーダーとして、グループの成長に責任を負うことの難しさに直面しました。うまく調和を取りながら、言うところはハッキリと伝える。なかなか難しい。副班長や班のメンバーの支えもあってなんとか乗り越えられたんじゃないかなと思っています。他の班で語学クラスも異なる、同じ階のドミニカ共和国派遣の同期にもかなり助けられました。年齢の違う同い年で(酉年)、かなりの時間を一緒に過ごしました。僕にとっては頼れる兄貴で、しょうもないことから、私の悩みや私の考えまでいろんな話を聞いてもらいました。めちゃくちゃいじったりもしたけど、いつも耳を傾けてくれて時にはアドバイスをもらいました。12年後彼のように誰かに頼られる大人に私もなりたいと心から思います。
最終日前日、班のメンバーで最後の飲み会に行きました。帰ってきたあと喫煙所で彼と70日間の訓練について思い出話をしていて、涙が出てきました。あー、自分強がっていてもなんだかんだしんどかったんだなあ。思ってたよりプレッシャー感じてたんだなあ。と気づきました。この涙は70日間、語学も共同生活も頑張ってきた証であったのだと思います。胸を張ってこの70日間を頑張ったと言えます。

 

f:id:kusetsuyouiman:20200319114507j:plain

いつも一緒にいたチーム酉年。意外と真面目な同い年と頼れる兄貴!




ここだけでは書ききれないほど色んな印象的な出来事がありました。多くの人と話し、多大な影響を受けました。新型コロナの世界的流行の影響もあって、派遣の時期は延期されました。正確な派遣日も現在のところ分かっていません。しかし、それでも派遣されるまで、スペイン語の勉強を続け、林業の知識をつけ、そしてさらに人間的な成長もできるよう自己研鑽をしていかなければなりません。まだ見ぬペルーの任地の住民の為に出来ることはなんなのかを考えながら過ごしていきたいと思います。

 

f:id:kusetsuyouiman:20200319114645j:plain

この7人でペルーへ。これからもきっお世話になる。次は出発日に空港で会おう!


派遣前訓練は終わりました。しかし私の国際協力への道はまだ始まったばかりです。
おわりはじまりです。
最後に70日間一緒に過ごした訓練所のスタッフと、122名の同期に圧倒的感謝!!!
みんなと一緒に成長した70日間は私の宝物です!
この駒ヶ根訓練所での経験が、「いつか世界を変える力になる」