マチュ・ピチュ-アルトマヨの森奮闘記

青年海外協力隊2022年7次隊として、林業・森林保全分野でペルーに派遣されました。クスコ州のマチュピチュ歴史保護区で森林保全活動をしていましたが、情勢悪化に伴いサン・マルティン州のアルトマヨの森保護区に任地変更となりました。自分が将来過去を振り返るための備忘録も兼ねて、日々の活動をボチボチ綴っていこうと思ってます。時々暑苦しい文章になるかもしれませんので、ご承知おきください。

旅行記 Capítulo 2 ~アルバニア・ティラナ~

旅行記第2回はアルバニアのティラナです。


アルバニアのことを知っているという人はかなり稀かなと思います。
馴染みのない国なのも当然なのかもしれません。
この国は1990年ごろまで事実上鎖国状態の国でした。
社会主義国の中でも、独自路線を行っていたこの国はヨーロッパの北朝鮮とも呼ばれていました。
日本人の99.5%が訪れない国ともいわれています。
市場経済に移行後はネズミ講が流行していましたが、ユーゴスラビア紛争が下火になってきた1997年に武器密輸ビジネスが破綻したことを端に発しネズミ講も破綻しました。結果として全国民の3分の1が全財産を失うという大事件となりました。そしてアルバニア暴動という内戦が生じたのです。この紛争により多くの難民が発生し、またこれがコソボ紛争(旅行記コソボ編にてまた投稿します)にも繋がったのです。

 

そんな悲劇的な事件があった国に私が行きたかった理由は、内紛が生じた国がそしてその国の人々がどのように復興していくのかを見たかったからです(もう一つ理由はありますが、後述します)。もちろん未だ豊かな国とは言えないかもしれませんが、それでも治安も安定してきて観光客の数も増えてきているこの国の今を見たいと強く思い、2016年の夏に南バルカン半島(コソボマケドニアはまた後日投稿します!)を巡る旅をしました。

 

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ティラナ国際空港またの名をマザーテレサ空港

この旅はアルバニアinだったので、トルコ航空イスタンブール経由でティラナ・マザーテレサ空港に降り立ちました。え、なんでマザーテレサ?と思った方がほとんどだと思います。実は、マザーテレサアルバニア人なのです(生まれたのは北マケドニアスコピエです!スコピエも訪れたので、後日また投稿します!)。市街地には、マザーテレサの名を冠する広場もあるくらい、アルバニア人マザーテレサを尊敬しています!また空港から市街地まではバスで30分くらいなのですが、バスはものすごくボロボロで年季が入っていて、雨が降って少し雨漏りもしていました、、、。

 

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マザーテレサ広場。近くにはサッカーコートもあり、子供たちと少し遊びました!

 

ティラナ中心街はスカンデルベグ広場を中心にモスクや国立博物館など、観光スポットが固まっているため非常に観光しやすい街だと感じました。規模感が大きい街ではありませんが、イスラム教の国特有の人の優しさや朝方にアザーンが聞こえてきて目が覚めるのがとても心地よく何となく居ついてしまいたい雰囲気でした!その後、北マケドニア(当時は旧ユーゴスラビアマケドニア共和国)のオフリドへ向かうバスを予約してしまっていたため留まることは一度は断念しましたが、コソボプリシュティナに行った後に再度ティラナに戻ってきてこの街が持つ独特の雰囲気を堪能しました。

 

 

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スカンデルベグ広場。奥に見えるのは国立博物館

 

 

かつて共産主義自体の1967年に当時の大統領によって無神国家が宣言されたものの、のちに信仰の自由が認められ宗教施設も多くあります。アルバニアはかつてオスマン帝国(今のトルコ)に支配されていたため、キリスト教からイスラム教へ改宗した人が多いのです。アルバニア人の半数以上がイスラム教徒といわれていることもあり、モスクも多くあります。特にスカンデルベグ広場の横にあるジャーミア・エトヘム・ベウトは実際に無神国家政策の際には閉鎖されていたそうです(外壁の装飾やや内部のフレスコ画などのイスラム美術の文化的な価値は評価されていたため、取り壊されなかったとか・・・)。国立美術館や壁面の絵が特徴的な国立博物館には民族自決主義的な絵画や展示物、さらには社会主義時代のコレクションが多く、言葉がわからなくてもかなり楽しめた印象です。

 

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ジャーミア・エトヘム・ベウトと時計台。時計台から見下ろすティラナの町並みは壮観でした!

 

 

次に、街歩きをしてみたティラナの印象についてです。やはり他の共産主義国の町と同様に無機質なつくりの建物が多い一方で、中にはカラフルな色に塗装された建物もあり、なんとなくユニークな共産主義の街であると感じました。また人々はかなり穏やかで、あるお土産物屋ではそう高くないお土産を一つ買っただけで、同じくらい値が張りそうなものを一個おまけでくれました。なぜそんなに親切にしてくれるのかと聞くと、「お前は遠いアジアの国から来た仲間だから」みたいなことを言われました。ウズベキスタンやトルコでも同じようなことを言われたことがあり、なんとなくテュルク系民族の国っぽさを感じる出来事でした(アルバニア人テュルク系民族ではなく、イリュリア人がルーツと考えられています)。あとは、アルバニアといえばやはりアルバニア・マフィアをイメージする人も多いんじゃないかと思います。そういったイメージから怖い国という印象を持つ人も多いかもしれませんが、少なくとも私が街歩きをしているうえで、怖いと感じるような人も出来事もありませんでした。黒いリムジンに乗ったイカツめの顔立ちのお兄さんはいましたが、きっと関係ないはず。食事については、ものすごく素材の味を前面に押し出している印象でした。無駄な味付けはなく、すごくさっぱりしていて食べやすいものが多かったと記憶しています。特に印象的だったのは羊肉のステーキとマスの塩焼きですね!マスはほかのバルカン諸国でもとてもおいしいところが多いです。特に北マケドニアオフリドにあるオフリド湖でとれるマスなどはかなり有名だそうです。

 

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マスの塩焼き。無駄な味付けはなく、さっぱりしていました!

 

アルバニアでの旅では一人として日本人に合うことはなかった(アジア系の人すら見なかった)ですが、だからこそ見るものすべてが新鮮で楽しい街歩きでした。未知の国に行ってみたい人にはかなりおススメできます!また、この旅で訪れた他の南バルカン諸国についてもおいおい紹介していきたいと思います。

 

 

 

 

 

話は変わりますが、今日スペイン語の中間試験が終わりました!派遣前訓練もとうとう折り返し。旅行記だけでなく、日々の駒ケ根訓練所での生活についてもそろそろ書き綴っていかなければ、と思いつつ今日はこの辺で。

¡Nos vemos!